設備女子のつぶやき – アスベスト=石綿≠ロックウール

こんにちは。設備女子です。
最近の工事では「アスベスト」という単語が毎回と言っていいほど議題にあがるようになりました。
「アスベスト(=石綿)」とは、目には見えない小さな細かいチクチクのことで、これが肺などに入り込むことで肺がんや悪性中皮腫などを引き起こす可能性がある、体にとって有害な物質です。しかし、材料としては軽量であり耐火性や断熱・保温性に優れた面から、アスベストが体に有害だと判明するまでの間は、壁や天井などの内装材・配管の保温材などなど、あらゆる用途で使われていました。

配管の保温材や継手のパッキンにも含まれている可能性があります。

使用され続けて何十年、じわじわと病気を発症する人が出てきて原因がアスベストだと判明し、まず行われたのが、アスベストを含む材料の製造禁止です。よって、現在一般に普及している材料にはアスベストは含まれていません。グラスウール・ロックウールなどの保温材もアスベストではありません。(私は最初ロックウール=石綿と思ってましたが、違います(笑))

というわけで、昔に建てられた現役の建物にはアスベストを含む材料が使われているのですが、その居住者が今すぐアスベストを取り除かないといけないかというと、そうではありません。アスベストを含む材料の多くは、何もしなければ、その小さなチクチクが飛び散ることはありません。

しかし!!私たち建築関係者は違います。建物の改築・解体工事では、材料を切ったり、割ったり、粉々にしたりして撤去します。そこで、建設業やその他のアスベストを吸込む可能性がある人が正確な知識を持って安全に作業できるように、以下3つの資格が新設されました。

1、石綿取扱特別教育
  …石綿(=アスベスト)が含まれている材料を直接扱ったり撤去したりする人が受講しないといけない教育

2、石綿作業主任者講習
  …上記1の人たちに作業指示をする人が受講しないといけない講習

3、石綿含有建材調査者
  …材料にアスベストが含まれているかいないかを判断する人のための資格


つまり、建物の解体や材料の撤去作業はこれまでの「誰でも行ってよい」から、「“解体・撤去対象物にアスベストが含まれて無いと判ったら”、誰でも行ってよい」に変りました。さらに、「アスベスト有無の判断は専門の(上記3を受けた)人が行う」、「アスベスト有の場合、作業は専門の(上記1又は2を教育を受けた)人が行う」というシステムが追加されました。

今後の現場作業に切り離せない存在となったアスベスト。法律はどんどん施行されていきます。一方で、講習費や専用防護服・器具などの購入費を誰が負担するのか、調査費用の相場はいくらなのか、など、まだまだ確立していないものも多くあります。

安全で快適な作業環境を構築するため、試行錯誤していく日々は続きそうです・・・