設備女子のつぶやき – 見積もりもり

こんにちは。設備女子です!

 建設業では毎年、年度初めの4.5月は公共・民間工事ともに発注数が少なく、6月ごろに発注が始まることが多くあります。公共工事はというと、近年「工事発注数の年内平準化」という取り組みが行われ、一年を通じてなるべくコンスタントに発注が行われるよう、少しずつ対策を行っているそうです。受注者にとってはありがたい限りですね。しかしながら年度替わりの時期ということもあり、5月末~6月にかけては今年も入札参加申請と積算業務に追われる日々です。

 積算業務とは、設計図や仕様書から材料や数量を算出することで合計金額を出し、建物を建てるのに必要な工事費の見積もりを算出していく業務なのですが、これが新人には大変なんです。。。。新人がまずぶつかる壁を2つ挙げてみます。

1.材料がわからない!!!
 はいこれ。まずこれ。だって新人だもの。現場経験が少ないのにわかるはずがないよね。バルブ種類多すぎ。VLPとかSGP-VAとかライニング鋼管とか名前統一してほしい。みんな一度は心が折れそうになったことあるのではないでしょうか。私はあります。
こういう時はネットで調べるか、先輩に聞くか、材料屋さんに教えてもらいます。

2.人工(にんく)がわからない!!!
 次にこれ。材料にはそれぞれ歩掛(ぶがかり)というものが決まっていて、材料(例えばビニル管1mとか)を施工するのに何人が何日お仕事をすればいいかという目安があります。国土交通省がいろいろなデータを集めて決めた数字です。

例えば、VP(硬質塩化ビニル管)75A ×100m の場合の計算は
VP75単価・・・800円/1m
VP75歩掛・・・0.19人工/1m
福岡県の配管工事単価(1人工=1人が1日働いたときに支払う金額の目安)・・・21,000円 とすると、
800(円/1m)+0.19(人工/1m)×21,000(円/1人工)=4,790円/1m 
となり、1mを施工するのに材料+工事で4,790円かかる、ということになります。
これが100mなので
4,790×100=47,900円   という計算になります。

はい。まずこの時点で何?ってなるよね。でも大丈夫。この計算は慣れればできるようになります。
でも実際は配管するのが大変な場所で、2人で作業しないといけない状況だったり、高所作業車が必要だったり、養生しないといけなかったりと、なかなか計算どおりにはいきません。それを!!図面をもらった時に!疑問に思い!!!現地を確認して!!!歩掛を2倍にできるかどうか!!!「高所作業車リース料」や「養生費」の文字を!!!見積にいれられるかどうか!!!
ここがベテランと新人の差なんだと思います。。

上に書いたとおり、積算業務は、する人によって結果が違うものです。つまり「これが正解の金額」という数字がありません。私が1年目のとき、上司に「積算はお客さんのお金を預かっていると思い真剣にやりなさい」と言われた一方で、「積算が根拠があれば正解。なぜその金額なのか、お客さんに説明できれば正解」と言われました。積算業務をするひとひとりひとりが適切な知識をもって真剣に取り組まないといけないし、その知識は経験による人もいれば、物価本や材料屋さんの力をかりる人もいる。。改めて奥が深いなあ、、、と思いました。