デジタル化への道 その6– 情報共有システム(ASP)

情報共有システム(通称ASP)とは、主に工事の”受注者”と”発注者”の間で使用するシステムで、今まで紙やメールでやり取りしていた情報をインターネット上で一元管理しちゃおう!というツールです。

施工計画書、納入仕様書、工事月報、質疑書など、現場管理業務では、発注者と日常的にやり取りする資料が多くあります。今までは、それらの資料を作成したら、印刷して押印してスキャンしてメールして原本は郵送して…など、紙の書類を送ったり、受け取ったり、ファイリングする手間がたくさん発生していました。(時には資料作成より手間だったりして(笑))その負担を軽減してくれるのがこの情報共有システムです。

以下は、私が数種類の情報共有システムを使ってみて、「これは役に立った!」というメリットと「ここは改善してほしいなあ」というデメリットを挙げますので、参考にしてみてください(*^-^*)

 ――目次――
【メリットその1】紙で印刷しなくて良い!
【メリットその2】関係者に一斉送信!(容量制限なし)
【メリットその3】個々の確認状況が一目瞭然!
【デメリットその1】カスタマイズが手間
【デメリットその2】PDF編集ソフトが無いと使いづらい
【デメリットその3】全員が使う意識を持たないと成り立たない

【メリットその1】紙で印刷しなくて良い!

現場管理で一番大変なのが書類作成です。パソコンで作るだけでも一苦労なのに、完成した書類を印刷してパンチ穴開けて、ファイリングして、インデックスを付けて、間違いに気が付いたら修正して印刷し…あああめんどくさい!!100ページ以上にもなる書類を提出するときには発狂モノです。。

その点、情報共有システムでは、パソコン上で出来上がったものを、PDFにして、システム上にアップロードするだけ!ダイレクトに時間短縮が実感できます。印刷代と紙代も削減できます♪(システム使用料はかかりますが。)

【メリットその2】関係者に一斉送信!(容量制限なし)

発注者や設計者、他の工種の担当者などに、一斉に最新資料を共有したい場面、ありますよね。通常であれば、メールでCCを付けて送信しますが、「A会社はメールの添付上限が10MBまで…しかたない大容量メールで送るか。。あ、B社の担当を宛先に入れるの忘れてた…また新しくメールを作って…」など、宛先管理と最新情報(図面など)の管理って地味にめんどくさい上にトラブルの元です。

一方で、情報共有システムを使えば、自分がシステム上にアップロードした最新データを関係者が「システム上で見に来る」という方式のため、いつでも整理された最新の関係資料が共有できた状態というわけです。容量制限も、システムによりますが大抵は制限なしか、大容量メール並みの容量なので、相手の受信容量別に送り分ける煩わしさがありません。

【メリットその3】個々の確認状況が一目瞭然!

自分が提出した資料について、「いま、この資料は誰が確認中なんだろう。早く承認してほしいのに…」という状況、ありますよね!!「でも相手(発注者・監理など)も恐らくは複数担当者で回覧しているのだろうし、もしかしたら上司の人が忙しくて見れてないとかかな。。私の作った資料、忘れられてないかな。。」などといった、現在地不明の資料問題

情報共有システムでは、担当者の承認順位(順番)と ”誰が” ”いつ” 承認したか が、システム上に表示されます。また、自分の確認順番が来たまま何日間も承認や差戻しをしないときは、「あなた、1週間も持ったままの資料があるけど忘れてないですか~??」という内容のメールが毎日届きます。提出者からすれば、誰が確認中なのか一目でわかって安心ですし、確認者にとっても、業務の優先順位を付ける役に立ちます。

資料が今どの状況なのかが「ステータス」として表示されます。

【デメリットその1】カスタマイズが手間

情報共有システムを使用するためには、まず、これから提出する資料を分類していくためのツリー(フォルダみたいなもの)を作成します。

新しく項目を作ったり、削除したりします。

発注機関ごとにツリーの階層や各項目の名称は決まっていることが多いのですが、この階層をシステム上で作っていくのが手間です。同じ発注者の別物件(他会社施工)の階層分けを引用できるシステムがほしいものです。

【デメリットその2】PDF編集ソフトが無いと使いづらい

メリットで書いた「PDFにして、システム上にアップロードするだけ!」という点に関して、情報共有システムでの書類のやりとりはPDFで提出する性質上PDFを編集するソフトがないと、簡単に差替えたり、修正したり、ページを変えたりできないのが現状です。

例えば、すでに提出した100ページの書類の5ページ目だけを修正したい場合、PDF編集ソフトが無いと、結局、修正した5ページ目をを印刷して、100ページ(紙)の間に挟んで、全部スキャンしなくてはいけません。

これでは情報共有システムを使っている意味がありません。PDF編集ソフト(ドキュワークスやアドビアクロバットなど)を一緒に使ってこそ、業務効率化が図れます。

【デメリットその3】全員が使う意識を持たないと成り立たない

情報共有システムは、関係者全員が「情報共有システムを主要な連絡・共有ツールとして活用しよう!」という意識が無ければ、導入する意味がありませんそれどころか、使う人次第では一人のために二度手間、三度手間が発生して、逆に業務量増加となってしまいます。

情報共有システムを活用するとなった時に、そんな関係者に言われたら思わずツッコミたくなる激なえワード2選を挙げます↓↓

その1:発注者)システムとかよくわからないので この書類とあの書類だけは私はメールで確認します。メールで送ってください。
  
    →私の心)…おやおや???メールで確認??しかも特定の書類だけ??
          システムとメールの2箇所でやり取りするメリットは??どっちで出したか貰ったか分からなくならない??
          結論:超非効率です!!!!!!メールか情報共有システムかどちらに統一してください!
        

その2:発注者)最終的に検査では紙の資料も準備してもらいます。

    →私の心)結局印刷するんかーい!今までの頑張り(PDFでの完璧なフォルダ分け)は何やったんかーい!システム上で確認せんかーい!
         結論:あとから紙の提出は二度手間です!!!やめてください!

とはいえ、システムを使うことは得意不得意あることなので、情報共有システムの使用を他の人に無理強いするのはよくありません。(; ・`д・´)ノ”

ただ!システムはどんどん使いやすくシンプルになっています!使う前から諦めずに、一部分の機能だけでもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

情報共有システムの選定・活用相談などがございましたら、お気軽にご相談ください(*^-^*)